(ゲスト投稿)鉱石を求めて、宝の山への採集ツアー (パート1)

スイス人のアウトドアブログ(ゲスト投稿)鉱石を求めて、宝の山への採集ツアー (パート1)1

(投稿 by Christian ) 鉱物採集は、決して容易なものではなく、良いコンディション若しくは大きな晶洞(岩石中に生じた穴)を見つけ出すのはとても稀なことです。そんな希少性の高い状態のいい晶洞を、数年前、私は幸運なことに発見することができました。ここでは、私の鉱石探し体験記を紹介したいと思います。私の鉱石探しへの挑戦は、スペインでの休暇中にプールサイドでめくった数冊の書籍がきっかけとなりました。書籍は、水晶の発掘について書かれてましたが、古い書籍と新しい書籍の間で、ある山での水晶の発掘について異なる証言がなされていることに気が留まリました。古い書籍中には、あるスイスの山での水晶発掘が可能であることが示されているのに、後に出版された書籍中には、その山には水晶は見当たらないと述べられているのです。この二つの異なる証言の真相は、三冊目の書籍中に掲載されていた地図により明らかになりました。それは、水晶が発掘できるという山の名前がすり替えられていたことでした。古い書籍の証言が正しいと確信した私は、山の名のすり替えにより秘められた「宝の山」への鉱石探しツアーを計画することにしました。


 

鉱石採集ツアーは、およそ1400メートルの標高差を登り詰める必要がありました。様々な採集道具に加え、食べ物やドリンクなどの持参物は結構な重量で、登山を苦しめます。水晶の発掘が見込まれるポイントが標高3000メートル地点ということで、採集ツアーは、雪が夏の間に溶けきるのを待ち、秋口に実行することになりました。これはある意味幸いなことで、夏場にツアーに必要なコンディションを整えることができたのでした。

 

早朝5時半、まだ辺りは薄暗い中、私たちの鉱石採集ツアー一行は「宝の山」の中腹およそ標高1600メートル地点にある駐車場に降り立ちました。ここから標高3000メートルまでの登山です。出発からしばらくは細道が続き、ヘッドランプで踏場を確認しながら進みました。標高が上がるにつれ山道は次第にワイルドになり、木々に覆われた山道の道順は、様々な動物の足跡が導いてくれました。森を抜けるとしばらく平な道が続きました。午前7時、出発から1時間半経過した頃に、ようやく太陽が顔を出し、朝日の光が私たちのツアーの目的地を照らし示してくれているかのようでした。目的地までの道のりは実に様々で険しいものでした。山水が流れる小川に沿って、モレーン(氷河によって形成された丘)や小さな峡谷、そして万年雪の残る雪道を超えて。険しい道のりは同時に美しい自然の宝庫。私たちの進む道には、常に可愛らしい高原の花が出迎えてくれ、頭上を舞う鷲やアルプスヤギ、アルプスマーモットなど野生の動物も私たちの行く手を見守ってくれているかのようでした。

 

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目的地の「秘密のエリア」に到着した私たち一行の目前には、水晶など鉱物を匂わせる光景は全くと言っていいほどありませんでした。これまで費やしてきたツアー計画への時間、そしてこの地に到達するまでの険しい道のりは全て無駄だったのか?よぎる不安を抑え、私たちは広範囲を手分けして探ることにしました。鉱石発掘の希望を胸に南に西に四方必死に探し回りました。しらくすると、小さな結晶らしき兆しが私の目に入りました。探り出すと、そこには小さな水晶の塊が潜んでおり、そして遂に、大きく開いた晶洞を発見することができたのです。興奮を抑えきれない私は、大声で他の仲間に知らせました。瞬く間に集まった仲間とともに晶洞を眺めた私たちは、手応えを感じながらも、大きな水晶の発掘への期待はありませんでした。


 

それが何とも幸運なことに、険しい道のりを辿った先に期待以上の結果が待ち受けているとは….。晶洞の中で、水晶のとんがりが輝きを放っているかと思うと、次々に大きな水晶の塊が姿を現したのです。私たちのリュックサックは、採掘した水晶でたちまちいっぱいになりました。発見した晶洞の中からは、まだ多くの水晶採掘が可能でしたが、私たちは晶洞の中に採集道具を残し、そして発見したツアー一行の名前を記して、この晶洞の中身が私たちの所有であることを示しました。これはスイスで何世紀も前から「発見したもの所有」として有効とされる慣行なのです。このような所有が示された晶洞から残された鉱石を採集することは、窃盗となります。採集道具を晶洞に置けたのは幸いでした。何せ40キロを超える水晶をリュックサックに詰めて下山することになったのですから。出発地の駐車場にたどり着いた頃、辺りは再び暗闇でした。すっかり疲れ果てた私たちは、翌日温泉で、採集ツアーの成果を労いながら一日を過ごしました。再び鉱石採集へと、私たちの晶洞が待つ山を目指したのはその翌年のことでした。この第二弾鉱石採集ツアーについては次の機会に紹介したいと思います。

 

いつ: 夏・秋シーズン

どこ: スイスのとある山…

鉱物採集のドキュメンタリー(スイスドイツ語):

http://www.alf-tv.ch/?rub=2&showcase=6&archive=17-49&vsrch=mit strahlern unterwegs#programm

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(Photos by C. Brodmann)