左の写真のショットは、私たちの山スキーツアーの最終登山の様子です。スキー滑走後、私たちは 再びスキーに「シール」又は「スキン」と呼ばれるスキーの裏面に貼り付けることで、スキー板で 滑らず登山できる山スキーには欠かせない道具を装着し、約20分かけてスキー場の滑走路まで登 りました。既に夕刻に近づいた頃で、一日中ギラギラと輝きを放っていた太陽と、日暮れを後押 しするかの様にもくもくと昇る雲が、まるで縄張り争いしているかの様な幻想的な空模様でした。 小さな谷間は平坦な雪山が続いており、視界に入るのは一面真っ白な銀世界と雲と真っ青な青空 のみ。聞こえてくるのは、私たちのスキーが雪を踏む際に発する音のみ。
左の写真を見ると、私たちの他に、多くの山スキーヤーがこのルートを滑走した気配がうかがえ ますね。スイスではこの数年、コロナの影響により人との接触を避けるという傾向が、オフィ シャルなスキー場のゲレンデではなく、整備されていない自然の山で行う「山スキー」の人気を後 押ししてます。自然の山に入っていく山スキーは、人工的で便利な設備(リフトなど)を利用でき ない分、リフトに並ぶ事による他人との接触を避けることが出来るわけですから、安心してス キーを楽しめます。ただ、昨今の山スキー人気で、普段はひと気の無い山に、他の山スキーヤーが 視界に入るのは複雑な気分です。と言いますのも、山スキーの醍醐味は、「誰もいない銀世界」 を独り占めのように楽しめる事だからです。この醍醐味を味わうための私たちの秘策は、貴重な 有給を使って平日に山スキーに出かけること。
クリスマス直前に実施した山スキーツアー。グラウビュンデン州のベルリーナパスに拠点を置き、 天気を入念にチェックしながら、前半の2日間をズオウズの山で過ごし、後半の3日目と4日目は別 の山での山スキーを楽しんだ私たち。今回のベルニーナパスの宿は、ベルニーナパス峠の真下にあ り、内装が木造りの温もりに溢れたとても居心地の良いホテルで、何といっても食事が最高でし た。ツアー3日目は、ホテルからスキーを装着して直接ツアーへと出発しました。何の移動手段も 使わず、直接山へと出かけられるのは、正確な出発時間を気にしたり、移動による時間のロスなど ストレスが無く実に快適です。この日の天気は決して完璧ではありませんでしたが、概ね全体のコ ンディションは悪くなく、12月半ばにしては、2000メートルを超える山の上でも零度程度と、割 と暖かい一日でした(この時期この一帯は、凍りつくような冷たく強い風が吹き、北極のような 厳しい山環境であることが一般的です)。
この数年で恒例となりつつあるクリスマス直前の山スキーツアー。2020年、コロナがまだ落ち着 かないながらも、いつものメンバーと実行することにしました。スキー自体は大自然の中での野 外活動ですし、宿泊場での食事や憩いの時間は、メンバー間で十分なソーシャルディスタンスを努 めることを約束した上での判断でした。ツアーはトータル4日間の計画で、いつも通りに山ガイド を1名手配しました。ツアー会場となる山は、前々から決定することはあまりありません。スキー 場のように人工圧雪された山ではなく、自然の雪の降り積もった山に入っていくため、天気によ る山のコンディションの見極めがとても重要になるのです。山ガイドは「ベストプレイス」を、ツ アーの直前まで探り、出発前日にようやく、どこに行くかが決まるといったスタイルです。
ワンシーズン前のことですが、私たちは友人と共に、イタリアのヴィノスタ(フィンシュガウVinschgau)に宿をとり、山ガイドの同行を手配して、山スキーツアーを実施しました。山スキーツアーまでの数週間は、悪天候が長く続いており、ヴィノスタ到着当日までとてもスキーを楽しめる天候ではありませんでした。ところが、ツアー開始の木曜から日曜までの4日間、不思議なことに、それまでの悪天候は一転し、まるで絵に描いたかのような素晴らしい青空が私たちの山スキーツアーを歓迎してくれたのでした。ヴィノスタからスイスの我が家に戻りついた途端、再び悪天候に戻ったのですから、あの4日間は、まるで天からのご褒美だったかのような、そんな不思議な体験となりました。
世間がクリスマス準備終盤に追われている最中、ミュンステル谷(Münstertal)で友人たちと3日間のスキーツアーを行ったのが、私たちにとって今冬季シーズン最初の山スキーでした。世間の忙しさから逃れ、人気の少ない雪山で友人たちとのんびりとスキーを楽しみことが最大の目的でした。3日間のツアー中は、チエルフ(Tschierv)という村の宿に滞在しました。二日目、私たちは公共バスでリュ(Lü)という村まで移動し、そこから標高1000メートル地点までスキー登山し、テラ山(Piz Terra)を目指しました。天気予報によると、天候は悪化するとの予測で、視界がどの程度保てるのかは定かでありませんでした。いざテラ山からの下山滑走となると、幸いなことに、視界は然程悪くなく、テラ山から高低差1500メートルあるヴァルカンパ(Valchampa)という村までの滑走を存分に楽しむことができたのでした。もちろん、私たちのガイドが一番ベストなルートを見つけてくれたお陰でもあります。
12月は、どの国でも最も忙しい月ではないでしょうか。スイスでは特にクリスマス前になると、料理の買い出しや最後のプレゼント調達などで、どの家庭も忙しさが一気に増します。そんなクリスマスの直前は、実は、アウトドアアクティビティを行うのに絶好のタイミングです。多くの人々がクリスマス準備に追われている分、殆どの山は閑散としているのです。そこで、私たちは、今年その時期に、他5人の友人にも声をかけ、3日間の山スキーツアーに出かけることにしました。ツアーの計画においては、山スキーガイド1名を手配しましたが、場所の決定については事前まで保留にしていました。というのも、このツアーのタイトルは「Best Place(最も良い場所」でしたから、出発前日に、3日間のツアー中、天気も含め山スキーに最も良いコンディションの場所を見定めることとしていたのです。ということで、私たちの山スキーツアーは、ミュンステル谷(Münstertal)という、スイス最東端の静かな谷で行われることになりました。
今シーズンは、珍しく、山スキーをしたいという気落ちをいつもより早い段階から抱いており、クリスマス前に、友人と共に、週末の泊りがけ山スキーツアーに参加することにしました。(補足:スイスでは「山スキー」のことを「Skitouren(スキーツアー)」と言います。)当初、ツアーは、ベルン州の山が開催地で、その山にある山小屋での宿泊が計画されていました。しかしこの計画は、他のアウトドアアクティビティでも起こりうる「悪天候」の理由で、開催場所の変更が余儀なくされました。変更となった会場は、スイス南端部のシンプロン峠で、ツアー参加者は10時に現地で落ち合うことになりました。スイスの魅力的な点の一つに、交通公共機関を利用して、スイス国内を3~4時間以内で移動できるという手軽さがあると思います。
私たちは毎年必ず、数日のスキーツアーを楽しむことにしています。今年も去年同様、北イタリアのヴェノスタで4日間のスキーツアーを行って来ました。私たち夫婦のほかに2名の友人も一緒に、ウェルネス設備のあるホテルに宿をとりました。今年は例年に比べ、雪が豊富です。4日間連日で、地元の山岳ガイドと共に、難易度の低いスキーツアーを楽しみました。私たちの今回のスキーツアーは、日帰りタイプです。数日間のスキーツアーは、通常、その間の荷物を全て担ぎ、毎日別のルートそして別の宿(多くの場合は山小屋)になります。日帰りタイプの最大の利点は、ホテルが一定であるため、スキーツアーには最小限の荷物持参ですむことと、毎晩快適な宿に戻れることでしょうか。
2017年3月の終わりに4日間イタリアのヴェノスタに行ってきました。私はスイス中央部に位置するチューリッヒの近くに住んでいますが、ここからヴェノスタまでは車で4時間くらいです。北にオーストリア、西にスイスと国境を接しているこの地域では、なんとイタリア語でなくドイツ語が話されています。これはとても珍しいことです。観光名所として最も有名なのは、湖中に半分沈んだ鐘楼です。1950年にダム湖が拡張された際、当時の集落は水没してしまいました。現在の集落はその湖畔に新たに建設されたものですが、湖中に沈む鐘楼は水没の歴史を象徴する町のランドマークとなっています。このユニークなヴェノスタでは、様々なアウトドアアクティビティも楽しめます。心地よいホテルから、直接山スキーへと出かけることもできるのです。
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